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ながい旅

 
 ここ2,3日暖かい天気で 袖ヶ浦公園の梅もほころんできた。

 大岡昇平著「ながい旅」を読み了えた。 本書は先の大戦末期の 米軍無差別爆撃による
 降下搭乗員の略式手続きによる処刑の B級戦犯軍事裁判での東海軍司令官岡田資中将の
 法廷における戦いを描く。

 「およそ内地方面軍で起こった米軍搭乗員処刑事件で、自分の責任であるといったのは、岡田資中将唯一人
 である」(本文より引用)

 岡田中将は、(1)処刑事件の責任はすべて自分にあり、部下には責任がない 。
          (2)軍事施設以外の地域をへの攻撃は無差別爆撃であり国際法に反する。
            従って、略式手続きによる処刑は報復ではなく処罰である。
          と裁判中 一貫して主張して 絞首刑の判決を受け、後の多くの
          減刑嘆願書があったにも拘らず、泰然として刑を受ける。

          岡田中将の部下は その後 すべて減刑を受け釈放された。

 翻って、現代には、「すべて秘書に任せていた。自分は関与していない。裁判では
             一貫して無罪を主張する」などといっている 「一兵卒」なる
             変な兵隊さんもいますね。

 再度 翻る。 大岡昇平の 「不慮記」、「野火」と本作品を読み了えた。

 現代の我が国の状況を考える上で貴重な著作であると思う。(筆者には非常に役に立った)

 特に「野火」は現在の我が国の泰斗 丸谷才一氏が「戦後最大の著作」と述べています。
 
 「野火」の主題は ここで述べるには深刻すぎるし、一言で述べることが筆者にはできない。

 興味のある方は 一読をお薦めする。

 余談ではあるが、約40年前 大岡昇平氏は私の母校の政治経済学部で文学論の講座を

 持っておられた。筆者は不肖の一学生として受講した。内容が難しく、よく理解が

 出来なかった。

 当時これらの著作を読んだ上で受講していればよかった と後悔されてならない。

 後悔は常に後からしかやって来ないものですがね(苦笑) 

      
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by anago.chiba | 2011-02-06 11:26 | 日記 | Trackback | Comments(0)